医療のこと

母乳育児について

母乳育児について

母乳はあかちゃんにとって必要な栄養があり、成長・発達にとっても良いと言われている、病気のリスクを減らす効果もある。もちろん母乳で育てられる人はどんどん母乳をあげたほうが良い。ただ実際は様々な環境や状況があり母乳で育てたくても母乳が出にくいことだってある。薬を飲まないといけないお母さんは母乳をあげられなかったりする。粉ミルクを足す混合栄養や粉ミルクのみで育てることは決して悪いことではない。ただ母乳のメリットは知っておいた方がよい。低出生体重児の場合は特に発達に大きなメリットがある。

 

お薦め本

母乳でも粉ミルクでも混合栄養でも授乳中に必要な医学的な確かな情報を得られる。母乳育児をやみくもに押し付けないように、反対に考えなく粉ミルクをすすめるのではなく価値観に配慮しながら書かれているのでオススメです。母乳と粉ミルクについて、授乳の方法、授乳やおっぱいトラブルについて分かりやすくかかれています。

産婦人科専門医 宋美玄、小児科専門医 森戸やすみ『母乳でも粉ミルクでも混合でも!産婦人科医ママと小児科医ママのらくちん授乳BOOK』,内外出版社,2018年

新装版 産婦人科医ママと小児科医ママのらくちん授乳BOOK [ 宋美玄 ]

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母乳のメリット

~新生児にとって~

・呼吸器感染症、消化管感染症、中耳炎を予防する

・乳児死亡率を減少させる

・アレルギーのリスクを軽減する

・糖尿病Ⅰ型、Ⅱ型、肥満になるリスクを軽減する

・発達や IQ に良い結果をもたらす

〜早産児にとって〜

・壊死性腸炎の発生率の低下

・重症未熟児網膜症の発生率の低下

・脳の総容量の増大、精神・行動も含めた神経発達スコアの上昇

〜母親にとって〜

・子宮が早く収縮し、産後の出血の減少

・乳がん、卵巣癌のリスクの減少

・慢性関節リウマチ、高血圧、高脂血症、糖尿病、心疾患の減少

参考文献

the American Academy of Pediatrics Policy Statement

Breastfeeding and the use of human milk.” Pediatrics. 2012 Mar;129(3):e827-4  母乳育児と母乳の使用について アメリカ小児学会ポリシーステイトメント(AAP)2012

ABOUT ME
精神科医めがね先生
都内大学病院で精神科医として勤務。 大うつ病性障害、双極性障害、統合失調症、不安障害、全般性発達障害、認知症など幅広く診断・治療を行っている。外来・病棟・当直と日々の精神科医療に邁進している。 30代で1児(娘:すーちゃん)の父。すーちゃんは568g(超低出生体重児)で誕生し現在NICU(新生児集中治療室)に入院中。 趣味はサッカー観戦、フットサル、ダンス

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